焙じ茶を飲む人。堀江美佳さん(アーティスト)

日頃から「献上加賀棒茶」を愛飲いただいている方に、お話を聞きました。
石川県加賀市で作品の制作をされているアーティストの堀江美佳(ほりえみか)さんは、京都府出身。
移住のきっかけも、「献上加賀棒茶」との出会いも、展示で石川県加賀市を訪れたことからでした。

column/2021/1122/163756332904_1400_1400_100_auto.jpg

加賀の自然と共にくらす
豊かな時間。

アーティストの堀江美佳さんがくらしているのは、石川県加賀市の山間にある小さな集落です。住居兼アトリエとなっている古民家周辺の山から、雁皮(がんぴ)という植物を採取し、家のすぐ側を流れる川の水を使って、作品に使う和紙を漉いています。

column/2021/1122/163756333206_1400_1400_100_auto.jpg

和紙を漉くために、皮をむき、干し、裂いた後に煮た雁皮を家の側を流れる小川につけ、アクを抜いているところ。

もともとは京都府ご出身の堀江さん。お話を聞くと、いつもくらしの中にお茶があったことがわかりました。「京都にいた頃は、飲み物といえば番茶。やかんで煮出す、濃い茶色のお茶でした」。その後、イギリスに留学。ホストファミリーの家で出された濃いミルクティーは「ティーバッグをマグカップに入れてつくるものだったのですが、これが甘くて、おいしくて。イギリスの思い出の味ですね」。

その後、展示で世界を周るようになってからは、訪れた国でその地域のお茶を買うことが習慣に。「帰国する頃には、お茶でスーツケースが閉まらなくなるほどです」。

これまでさまざまなお茶を楽しんできた堀江さん。その堀江さんが「献上加賀棒茶」をよく飲まれていると聞き、お話をうかがうことにしました。

column/2021/1122/163756333508_1400_1400_100_auto.jpg

堀江さんのお宅のキッチンに並ぶお茶。食事中はもちろん、朝起きた時、作業の合間の休憩時にと、その時々でいろいろなお茶を楽しんでいます。

展示がきっかけで訪れた加賀で
「献上加賀棒茶」に出会う。

「献上加賀棒茶」、「焙茶noma(ノマ)」など、現在ではさまざまな丸八製茶場の焙じ茶を楽しまれている堀江さん。丸八製茶場の焙じ茶との出会いは、石川県加賀市山代温泉での展示がきっかけでした。現地での準備の帰りに持ち帰ったお土産の中に、「献上加賀棒茶」があったのです。

「初めて飲んだ時、お花のような香り、と思ったのを覚えています。京都の番茶は深炒りだったので、すごくフルーティで口あたりが爽やかに感じて。こんな焙じ茶があったのか、と」。

column/2021/1122/163756333810_1400_1400_100_auto.jpg

堀江さんが「お花のよう」と表現された「献上加賀棒茶」には、ラベンダーやローズオイルに含まれるのと同じ香り成分が含まれています。

石川県加賀市に移住してからは、車で10分の距離になった丸八製茶場の直営店 実生(みしょう)で、さまざまなお茶を購入いただいています。「朝昼夜と、いろいろなお茶を飲んでいます。昼間は作業の合間にいただくのですが、この作業が終わったら何を飲もうかな、と考えるのが楽しみです。『献上加賀棒茶』は何にでも合うので、特によく飲んでいますね」。

column/2021/1122/163756334112_1400_1400_100_auto.jpg

お茶の時間には、一緒にお菓子や季節の果物も楽しみます。「最近、『献上加賀棒茶』と一緒に食べておいしかったのは加賀梨!直売所で手に入るのですが、 さっぱりと水分の多い加賀梨の甘味が、お茶の香りとぴったりでした」。 ふたが割れてしまったものをお皿で代用している急須も「これはこれで気に入っていて、そのまま使っているんです」。

加賀市の自然から生まれる作品。
独自の「青」の表現。

column/2021/1122/163756334514_1400_1400_100_auto.jpg

アトリエの作品が飾られたコーナーには、どこか神秘的にも思える世界が広がっています。

デジタルカメラで撮影した後、様々なサイズの白黒フィルムを作り、自身で漉いた和紙にプリントしてつくられる、堀江さんの写真。現代ではあまり使われていない「サイアノタイプ」と呼ばれる技法を使っており、青い色が特徴です。

「青い色にはこだわりがあります。自然の根本の色であり、見る人が自分の中にある時間軸で写真を感じることができる色。過去・現在・未来を感じさせない、普遍的な色だと思っています」。

column/2021/1124/163776635502_1400_1400_100_auto.jpg

石川県加賀市の風景を撮影した作品。青い色が、過去の風景を見ているのと同時に未来の風景を見ているような、不思議な感覚にさせてくれます。

和紙にプリントする、という方法は、堀江さんがイギリスから帰国した後に、京都で見出したものでした。「和紙を使うことで出るにじみや深みが、絵画のように感じられることに魅力を感じたんです」。
そして、この和紙の原料である雁皮が、堀江さんがこの家に移り住む決め手となりました。

column/2021/1122/163756335218_1400_1400_100_auto.jpg

制作に使う和紙は、すべて一枚一枚堀江さんが漉いたもの。紙漉きの作業は屋内で行われることが多いのですが、堀江さんはあえて外で行います。

山代温泉での展示の後、石川県加賀市で家を探すことにした堀江さん。「候補としてこの家を見にきたとき、偶然外に出てきた隣の家の方に作品のことを話していたら『この周辺の山から雁皮が採れる』という話になって、ここだ!と」。

column/2021/1122/163756335720_1400_1400_100_auto.jpg

雁皮の皮をむく堀江さん。雨の日は屋内でできる作業を行います。干した雁皮は、それ自体がアートのようです。

後に、南加賀地方で手に入る雁皮は日本で手に入る雁皮の中でも最高峰のものとわかります。そして雁皮だけでなく、写真を現像する、和紙を漉く、などの作業に欠かせない、天然水がすぐ側で手に入る環境は、堀江さんの作品づくりにぴったりだったのです。

column/2021/1122/163756336122_1400_1400_100_auto.jpg

庭で行われる現像作業。感光材を水で洗い流すと、美しい青の写真が浮かび上がります。

お茶も、和紙も、水で変わる。
「きれいな水」の力。

和紙づくりに欠かせないきれいな水は、お茶をいれるのにも欠かせないものです。
「お茶をいれるとき、一番こだわっているのは、お水かもしれません。近くに動橋(いぶりはし)川の源流があるのですが、その場所の水でいれたお茶は、澄んだやわらかい味がするんです」。

column/2021/1122/163756336524_1400_1400_100_auto.jpg

堀江さんの家から車で15分ほどのところにある、動橋川の源流。「加賀のいろいろな場所のお水でお茶をいれてみましたが、この場所の水が一番です」。

「おいしいもので、1日が変わるので」と、普段お茶をいれるときにも、そのお茶本来の味でいれられるよう、茶葉の量や浸出させる時間に特に気をつけているという堀江さん。来客時はよりおいしくいれるために、あえてティーバッグで茶葉の量を正確にするほどです。

column/2021/1122/163756336926_1400_1400_100_auto.jpg

自家製のパンやマフィンも「献上加賀棒茶」のお供になります。

「日光が必要なので、本当に自然のリズムでくらしています」という堀江さん。堀江さんの家で1日を過ごし、お話をうかがい、この土地のくらしを楽しみながら作品づくりに向き合われている、その風景の中に「献上加賀棒茶」があることを、うれしく思いました。

献上加賀棒茶

献上加賀棒茶