茶園 三畝(さんぽ)日記

今年もお茶を摘みました。

2022年7月4日公開

丸八製茶場の焙じ茶は、全国の生産農家のかたが
大切に大切につくったお茶からできています。
茶園「三畝(さんぽ)」は、丸八製茶場がお茶づくりへの
理解を深めるためにつくった勉強用の茶園。
動橋(いぶりはし)の自然と、スタッフの奮闘をお届けします。

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丸八製茶場では、毎年ゴールデンウィークの頃に茶園 三畝の新茶を摘み、その後、手揉みによる製茶体験を行っています。
昨年はコロナの影響で社内のメンバーだけで行われたこの会ですが、今年は茶摘みと製茶の体験に来られたご一家と新入社員も含めて賑やかに開催することができました。

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茶摘みでは、チャの樹の先端に生えた新芽の部分を手作業で摘んでいきます。

今回、メインで茶摘みを行ったのは「おくはるか」という品種の茶葉です。ハウス内栽培と露地栽培合わせて565gと、とても多くの量を収穫できました。

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収穫したばかりの「おくはるか」。自分の手で摘んだ茶葉は、なんだか可愛らしく感じられます。

茶摘みの後は、3つのグループに分かれて手揉みによる製茶を行いました。「焙炉(ほいろ)」という茶葉を熱して乾燥させるお皿の上で、揉み込みながらまた熱してを何度も繰り返し、約2時間。水分を飛ばし、乾燥を進めると、とても質のよい茶葉が出来上がりました!3グループすべて上出来!素晴らしいです!

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「手揉み」という言葉の通り、温かく熱した焙炉(ほいろ)の上で手を使ってひたすら揉んでいきます。

揉み込む作業は交代で行ったのですが、慣れない動きに手が痛くなった方もいたのではないでしょうか?個人的に手揉みの作業では、揉み込む際の茶葉に対しての熱い気持ちが大事だと思っています。「おいしくなれー」「うま味広がれー」などなど、気持ちを込めることでより一層おいしい仕上がりになるのです(きっと)!

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グループで力を合わせてつくり上げた「おくはるか」の緑茶。いずれもおいしい仕上がりでした!

できあがった「おくはるか」は、形状の見た目も、普通に市販されている茶葉のようで、香りも艶やか。新茶ならではの美しさと爽やかな青みある渋さが感じられる、手づくりならではの味わいでした。透明感のある独特な甘味も感じられました。

そして、今回の製茶体験では「萎凋(いちょう)」にも挑戦しました。最近では、「焙茶noma(ノマ)」や「季節のほうじ茶」など、丸八製茶場でも萎凋によって華やかな香りを引き出した焙じ茶を多くつくっています。

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萎凋中の「さきみどり」と「おくみどり」。摘み取った茶葉をしばらく置いて発酵を促すことで、萎凋香という華やかな香りが生まれます。

「おくはるか」の製茶をしている間、一緒に収穫をした「さきみどり」と「おくみどり」を机の上に広げ、室内萎凋を行いました。それを、「おくはるか」と同じように揉んでいきます。

「さきみどり」は、茶摘みの時には成長が早く茶葉が開き気味で、葉も少し硬くなりつつある状態だったため、少し製茶がしづらかったのですが、それを乗り越えて出来上がった茶葉には新茶らしい若々しい香りがふわりと漂いまして、これはこれで成功なんじゃないかなとも思いました。

緑茶として飲んでみると、コクがあり、甘味のある味わいが余韻にずっと残る印象で、室内萎凋の影響もあってか、華やかな花のような香りもわずかに感じられました。

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昔ながらの手作業で、摘み取った茶葉を緑茶に仕上げていく工程は、お茶好きなら一度は体験いただきたいイベントです。

昨年に引き続き、おいしい手揉みの茶葉が出来上がった茶摘み&製茶体験。
次回は、さらにたくさんの方に体験していただけたらなと考えています。

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お茶揉みの資格ってあるんですよ!

茶園スタッフ長崎。本業は製造課スタッフ。
お茶とマラソンをこよなく愛する33歳。